『Troubled Blood』読了

Robert Galbraith(J.K. Rowling)の『Troubled Blood』読み終えました。

長かったです。Kindleで読んだのですが、なかなか%が進みませんでした。Amazonによると「推定ページ数945ページ」ですので結構なボリュームです。ここ数年で言うとPaul Austerの『4321』が読んでいて長いなぁと思ったのですが、それ(推定ページ882ページ)以上のページ数でした。ただ『4321』よりはるかに面白かったのでそれよりは早く読み終えました。

探偵Cormoran Strikeシリーズの第5弾ですが、謎解きと同じくらい(もしくはそれ以上)に主人公とヒロインの関係がどうなるのかが、シリーズが進むにつれて非常に興味深くなってきています。ある意味大人の恋愛小説という感じです。3作目くらいから個人的にはそちらの方が楽しみで読んでいます。

今回は40年前の事件を捜査するのですが、昔のことなので証言や記憶が曖昧だったり、証言の裏付けもなかなか取れません。当然のことながらセキュリティカメラもありませんでしたので捜査は難航します。そのような中どう捜査を進めるのかが見どころの一つです。

もともと登場人物の描写が上手いのですが、今作ではそこが際立っています。キャラクターが多いのですが、それぞれ特徴づけされている(会話を含めて)のでわかりやすいです。また主人公CormoranとヒロインRobinの心理が、感情の機微を含めて非常に上手く描かれていています。読んでいて感情移入してしまう場面も多々あります。

舞台は実際の英国の街やストリートですので、Googleストリートビューでその場所を確認しながら読むとその場所の様子や雰囲気に言葉以上に浸ることができます。

英語のレベルは高校生には厳しいですが、英語の得意な大学生以上なら読めるでしょう。お勧めです。

Comments