Angie Pallorino Series読了

4.0

Amazonのkindle unlimitedを利用しているのですが、洋書で読みたいなぁと思う本はたいてい入っていません(苦笑)。

それでも先日何かないかなとunlimited対象のミステリを探しました。今となってはどうやってたどり着いたのがわからない(「Kindleストア> Kindle洋書>Mystery & Thrillers>読み放題対象タイトル」でオススメ順やレビューの評価順で並べ替えてもすぐには出てこない)のですが、Loreth Anne Whiteの『The Drowned Girls』という本が目に留まりました。

3部作の最初の作品で、Amazonでは288個の評価で星4.4と高評価となっています。内容紹介を見ると女性警官(刑事)が主人公のようです。著者は女性で、いろいろな賞を受賞したり最終候補に残ったりしているようです。それらの賞にromanceやromanticという単語が多いのが気になりますが、あまり気にしないでおきましょう(笑)。

ダウンロードして読み始めました。

最初は慣れない単語や口語表現、地理(カナダ西海岸バンクーバー近くの町ビクトリアが舞台)に苦労しましたのでペースがあまり上がりませんでした。ただ読み進めていくうちに、話に引き込まれ気にならなくなりました。

正確にはストーリーというよりは人物に引き込まれていきました。この著者は人物描写が上手いです。主人公のAngie PllorinoやパートナーとなるJames Maddockはもちろんいいのですが、個人的にはKjel Holgersenが一番気に入りました。クセはあるけれどもいい味を出している登場人物です。

肝心のストーリーはえらい方向に話が進むなぁという感じで、本格的なミステリーというわけでもありませんが、楽しめました。ただ、余計な性的描写が気になりました。最初の方に出てくる場面は仕方がないにしても、中盤の明らかになくてもいい場面は興ざめしました。romanceが売りの作家なので入れたのでしょう。

1巻目の『The Drowned Girls』では多くの謎を残したまま&主人公がどうなるのかというところで終わったので、すぐに2巻目の『The Lullaby Girl』を読み始めました。

この本では今までの謎を解き明かしてくれました。作者の文体にも慣れ、ページ数も1巻に比べるとずいぶん減っていたので、半分くらいの期間で読み終えました。

2巻まででシリーズが終わってもいいくらいだったので、3巻目を読むまでには少し間が空きました。

どうストーリーを続けていくのか気になり始めてから、第3巻『The Girl in the Moss』を読み始めました。

ここでは主人公Angieの立場が変わっています。それにしてもシリーズを読む進めていくうちに、Angieが非現実的な存在なんだけれでも、強さと弱さを兼ね備えたよりリアルの存在に見えてきます(何を言っているのかわからないかもしれませんが、読んだ人にはわかってもらえるでしょう)。

一応1巻から続いている話が3巻に繋がり、これが解決されて最後は大団円で終わるのですが、2巻で読むのをやめておいてもいいでしょう。もともと話がちょっと強引なところがあったのですが、3巻ではかなり強引だと思わざるを得ませんでした。それでも登場人物の描写が優れているので、最後まで興味深く読むことができました。

ミステリー&ロマンス好きでカナダの冬を文章で味わいたい人には是非お勧めしたいシリーズです。普通のミステリー好きの人も楽しめるでしょう。ただ本格ミステリーを求めている人はやめておいた方が無難です。

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