ヨーロッパのうるう年(leap year)の伝統や迷信

ニュース記事

今年はうるう年(閏年)ですね。うるう年のことを英語では leap year と言います。

先日、旅行のガイドブックで有名なLonely Planetのサイトを見ていると、次のような記事がありました。

Leap year traditions, celebrations and superstitions

ヨーロッパではうるう年に関する様々な伝統や迷信があるようです。いくらか見ていきましょう。(一度元記事を読んでからこの先に進んでください。)

In the 21st century, women are free to propose to their partner at any time they choose, but for centuries it was solely the gentleman’s prerogative. Tradition states that once every four years, on 29 February, the tables are turned and matrimony-minded women have the chance to ask their sweetheart to marry them instead.

単語: prerogative = privilege、matrimony = marriage

昔はプロポーズするのは男性だけだったのですが、うるう日だけは女性がプロポースすることができたようです。”the tables are turned”は「立場が逆になる」という意味です。わかりやすいイディオムですね。今回は受け身での表現でしたが、”turn the table”で「形勢を逆転させる」となります。

ただ、男性の側からすると誰でもOKというわけにもいけませんよね。その場合、ただでは済みません。

… any man who refuses a Leap Day proposal should be issued with a fine, which can amount to anything from £1 to a silk gown.

“fine”の意味がわかったでしょうか。冠詞のaが付いているように、ここでは名詞で使われています。「罰金」という意味です。スコットランドの話ですが、プロポーズを断ると罰金が課せられました。女性に恥をかかせたということに対する罰なのでしょう。

In Denmark the penalty is 12 pairs of gloves, which the spurned maiden can wear to hide the ignominy of having no ring, and in Finland a man who declines must provide enough fabric to make a skirt.

単語: maiden = a young girl or woman, spurned = rejected, ignominy = disgrace

デンマークでは指輪がないのがわからないようにするための手袋12双、フィンランドではスカートを作るための布がペナルティとなったようです。

ドイツのラインライト地方ではうるう日ではなく、うるう年のメーデー(5月1日で夏の訪れを祝う日)の前日に女性から男性に好意の気持ちを伝えました。

ここまでは伝統の話でした。ここからは迷信です。

A superstition in Greece holds that marriages that take place in a leap year will end in divorce, and in Scotland it’s thought that those born on Leap Day will live a life of untold suffering.

ギリシャではうるう年の結婚は離婚に終わるという迷信があり、スコットランドではうるう日に生まれた者は口では言い表せないほど苦しい人生を送ると考えられています。

スコットランドの農家は家畜の心配をしなければならないようです。

Scottish farmers apparently also worry for their livestock – there’s an old saying that states a “leap year was never a good sheep year”. Perhaps it’s something to do with the weather: “Schaltjahr wird Kaltjahr” is a German proverb meaning “leap year will be a cold year”.

単語: livestock = animals such as cows and sheep
ドイツのことわざが関係しているのは面白いですね。

イタリアでは死者と結び付けられている2月がただ伸びるだけなのでleap yearがbad luckと考えられている由来です。

また記事によると、うるう日を祝うカクテルもあるし、アメリカではお祭りも開催されています。(全文引用して解説するのは気がひけるのでこのあたりにしておきます。)

記事ではヨーローパ中心でしたが、他の地域でもうるう年やうるう日に関する様々な伝統や迷信があるかもしれませんね。機会があれば調べてみましょう。

Comments

  1. […] ところで今年はうるう年ですね。英語ではleap yearと言います。ブログの記事「ヨーロッパのうるう年(閏年)の伝統や迷信」でも紹介しているのですが、うるう年には面白い伝統等があります。それを生徒たちにも紹介したいので元ネタを教材として使用しています。 […]